Project Story

2026.07.24
第1回
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Project Story#23

怖いけど尊い! アスミック・エースとスターツ出版による大型コンテスト企画「青春ホラーBL大賞」の目的とは

インタビュー:大曲 智子

全2回連載

アスミック・エースとスターツ出版が共同で開催中の大型コンテスト「『怖いけど尊い』青春ホラーBL大賞」。ホラージャンルとボーイズラブ、あるいはボーイズライフを掛け合わせたオリジナルの小説を募集し、大賞受賞作は書籍化決定。各部門賞は朗読劇化、映像化も検討するという大型企画だ。

来週末に結果発表予定のこの企画。アスミック・エースとスターツ出版がなぜ共同で大型企画を立ち上げたのか? スターツ出版からBeLuck編集部の岩瀬眞未氏、スターツ出版文庫編集部の斎藤嵐氏。そしてアスミック・エースのマーケティング推進部から竹山美奈子、佐藤みなみ、大沼睦に企画の経緯を聞いた。

アスミック・エースとスターツ出版がタッグを組んで開催されている「ホラー×BL大賞」ですが、ホラーとBLの掛け合わせを大きく謳うというところがとても目を惹きます。どのような経緯で誕生した企画だったのでしょうか。

竹山:以前からスターツ出版さんとは、「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」をアスミック・エースで映画化したり、他にもアニメ化予定の作品があったりと、多く関わらせていただいておりました。これからは、映像化に限らず、一緒にコンテンツやIPを育てていく取り組みができないかというご相談からのスタートでしたね。最初はBLともホラーとも決めず、映像化に留まらない作品、イベント化など両社からいろんなアイデアを出しました。そうして練っていくうちに、BeLuck編集部から岩瀬さんがいらっしゃっていたこともあり、創刊されてすぐにドラマ化された作品があったんです。ライトなBLジャンルは市場的にもすごく需要が大きいですし、他社さんですが「光が死んだ夏」という男子同士の友情とホラーを掛け合わせた作品がヒットしたこともあって、この掛け合わせは面白いのではないかとご提案したところ、スターツ出版さんからも「いいですね」という反応をいただきました。ブレストに出席していたメンバーにBLやホラー好きもいたことも大きかったかもしれません。

その最初の取り組みとして、小説コンテストを行うことにしたんですね。

竹山:スタートの形としてとてもいいのではということになりました。コンテストを行い、大賞受賞作はスターツ出版様から書籍として発売する。そしてアスミック・エースは映像化の権利を持ちつつ、さらには商品化、イベント化などの窓口を担うことで、コンテンツ自体をどんどん大きくしていけたらという思いで、募集をさせていただきました。

ここ数年、ホラージャンルの実写映画も流行していますよね。

竹山:今年11月にホラーの国際映画祭(闇国際映画祭)が開催されますし、「恐怖心展」などリアルイベントも人気がありました。ただ怖がらせるだけではなく、鑑賞者の内面に訴えかけてくるような展示や、イマーシブ型のイベントでもホラージャンルは盛況です。考察が必要なホラー小説もありますし、さまざまなタイプの接点を持たせてきたことで、ホラーというジャンルが広く親しまれるようになってきたと感じています。

アスミック・エースとしてはこのコンテストを通してIPを育てたいということですが、その点を具体的に伺えますか。

佐藤:このコンテストは映像化だけを目指したものではなく、映像化はプロセスの1つという考えです。新たなIPを創り、グッズやポップアップなど多角的に展開する中で、映像化も考えられるということですね。アスミック・エースが映画やアニメなどを創る企業であることは前提として、現在、J:COMグループに株式会社エニーという展覧会やポップアップを手がける会社もあるので、そういったところと多角的な展開ができるようになりました。映像化にとらわれずにコンテンツを創ってみるという企画でもあります。

コンテストに参加されている、ちるちる様についても教えていただけますか。

竹山:株式会社サンディアス様は、BLの情報サイト「ちるちる」を運営されています。BLに関するセミナーを主催されたり、レポートを出されたりもしており、BLジャンルに関わるにあたりサンディアス様がいることで、BLファンの方にも安心して楽しんでいただけると思っております。サンディアス様はBL作品の朗読劇化なども手掛けられているので、映像化以外のタッチポイントも作れるのではないかなと。原作ありの映像化だけだとどうしてもそこがコンテンツのピークになってしまいがちなのですが、そうではなく、よりコアなファンベースを作るためにも、映像化以外のポイントもあるといいんですよね。作中の2人がこの後どうなるのかを、続編、イベント、コミカライズ、商品化など様々な形につなげていき、短期間で終わらない、ずっと長くコンテンツを作れたらというのが念頭にありますね。

スターツ出版のお2人は、BL×ホラー小説コンテストについてどのように考えられていますか?

斎藤:弊社だけの企画ですとどうしても同じ作家さんに参加していただくことが多くなるので、今回アスミック・エースさんとご一緒することで、今まで関わったことのない作家さんにも参加していただけそうだなと思いましたね。

岩瀬:今回、「ボーイズラブ部門」を私が所属するBeLuck編集部が審査し、「ボーイズライフ」部門は斎藤が所属するスターツ出版文庫編集部が審査しているのですが、合わせて200名ほどの応募がありました。BLのコンテストはこれまでにも行なっているのですが、ホラーを掛け合わせたものは今回が初めて。今までにない小説が集まってきている感じがしていますね。

ボーイズライフ部門とボーイズラブ部門がありますが、受賞するとどのような特典があるのでしょうか。

岩瀬:大賞受賞作はスターツ出版様から書籍化されます。アスミック・エース賞を受賞すると、映像化も検討されるということですね。

竹山:応募の際にどちらかの部門を選んでいただくんですが、各賞受賞作は部門問わず優秀だったものを1作品選ぶという形です。

募集はすでに締め切られていて、現在は審査の最中ということですが、改めてどのような作品を募集されたのか教えていただけますか。

岩瀬:6月上旬に一次審査を社内で終えたところです。応募の内訳は、ラブが90作品ほどで、ライフ部門が110作品ほどでした。ボーイズライフ部門もボーイズラブ部門も共通の募集要項として、「極限状態の中だからこそ、尊い関係性が光る」というものをあげさせてもらいました。ホラーとボーイズラブ、あるいはボーイズライフを掛け合わせたことで生まれるうまみ。極限状態の中で尊い関係性が光る物語を集めたいですねというのは、アスミック・エースさんとも話し合っていたことですね。私はラブ部門の担当ですが、こういう作品がほしかったというものもあれば、いい意味で予想の斜め上を行くような作品もあって、一次審査会でも結構盛り上がりました。

斎藤:他の出版社さんのコンテストだと、下読みと言われる最初の審査をする人たちがいたりします。その時点で結構な数が落とされるそうなのですが、弊社は編集部全員が全部の作品を読んでいるので、そういう意味ではいきなり多数が落とされるということはないかもしれないですね。

映像化を頭に置かれて書かれる方が多いのでしょうか。

岩瀬:ホラー映画ならではの、ゾンビがたくさん出てくるみたいな作品は意外とないですね。それよりは幽霊のような存在が出てくるものは結構ありました。どこまで映像化を視野に入れているかはわからなかったです。ボーイズライフ部門はどうでしたか?

斎藤:もちろんみなさん、映像化したいという思いは持っていらっしゃると思うんですけど、小説の段階ではそこまで具体的に映像化を狙っている感じはわからなかったですね。まずは小説として、読み物として面白いものを目指されたのだと思います。

今後の応募を考えている方に、執筆するうえでのアドバイスをいただけますか。

岩瀬:そもそもBLジャンルは現代物や学生を主人公にした作品が多いのですが、その中でも面白さにつながるのは、作家さんが持つ“癖”だと思います。「こういう関係性の2人が書きたい」とか、「この会話を見せるための物語である」という思いがすごく重要になってくる。今回はそこにホラーもかけ合わさっているわけですが、ホラー要素はエッセンスにすぎません。書きたいと思う2人をホラーで演出していく。それが「極限状態」になると思いますが、極限状態はあくまでも前振り。その後の2人をどう見せるかが大事だと思いますね。

斎藤:「極限状態の中だからこそ、尊い関係性が光る」と謳っていますが、そんなに特別なことを言っているつもりはないんです。ずっとうまくいっている、何も問題が起こらない2人のストーリーってあまり面白味はないですよね。2人の間に身分の差がある、別の当て馬的キャラクターが登場するなどのハードルが出現することで、それを乗り越えてでも一緒にいたいという気持ちがあれば、それが自然と際立つ。そのハードルを、今回は恋敵ではなくホラー要素にしてみる。もちろんそれを形にするのは難しいことだと思いますが、俯瞰で見ると普遍的な書き方だと思うので、どんなハードルが立ち塞がるのかを意識していただくといいと思いますね。

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