第3回/アスミックならではの価値創造とは

2019.10.30

アスミック・エースのオンデマンド部門にスポットを当てるインタビュー最終回。オンデマンド部門は、「J:COMオンデマンド」等で配信するコンテンツの編成/調達から運用、プロモーションまでを行っている。また、台湾や中国の配信/VR事業者向けの調達のほか、今春からは国内で独自のVRサービス「PICMO VR」をスタートした。

長年、映画の配給や製作を得意としてきたアスミック・エースならではの動画配信ビジネスの特長とは。今回のインタビューでは「アスミックならではの配信」にスポットを当てる。

――オリジナルコンテンツをアスミック・エースで制作・配信することは、どんな意味があるのでしょうか。

長 今回の「しまじろうの えいごでFun Fun Time」のほかにも、huluさんとの「フジコ」や「代償」、チャンネルNECOさんとの竹内力の「闇の法執行人」や「大馬鹿世」など他社と組んで制作や配信をしたオリジナルコンテンツがあります。それらを「J:COMオンデマンド」等のオンデマンドサービスで差別化コンテンツとして配信できることは大きな意味があります。アスミック・エースは映画会社というイメージがあると思いますが、配給・制作や宣伝、そして国内/海外の他事業者へのセールスと、作るところから販売、お客様に届けるところまで、一気通貫の取り組みができることが強みです。各所においてコンテンツに精通した熟練のベテランスタッフが活躍し、さきほどのオリジナルコンテンツも制作に関わるプロデューサー陣の各所とのつながりの中から生まれました。

――2005年にスタートしているJ:COMオンデマンド。他社と比べてかなり早いほうでしたよね。

長 そうですね。J:COMのオンデマンドは、2005年から好きな作品を1本ずつTV画面上でレンタルするサービス(TVOD)から開始しました。月額料金を支払う定額制サービス(SVOD)の開始も早く、今では定額制サービスが世間の主流になってきましたが、当時は定額見放題で配信するなんて、すごい発想だなと思いました(笑)。最初は見放題サービスに対して権利元からなかなかコンテンツを出してもらえませんでしたが、各社が参入したことにより風穴が空き、交渉上の難易度はぐっと下がりました。

――オンデマンドにおいて、J:COMならではの強みは何でしょうか。

長 J:COMはケーブルテレビを使ったサービスですので、インターネット環境などに左右されることがないため、安心して見られるのが特長ですね。映画やドラマなどエンタメが好きな方が加入くださっているという印象がありますね。

――アスミック・エースがJ:COM傘下になったことで、メリットはありましたか。

長 アスミック・エースは映画などエンタメに精通している人が多いので、様々な局面で助けてもらっています。また、自社が配給や宣伝をしている映画のオリジナル映像をJ:COMオンデマンド等で配信することもあります。

澤﨑 当社のオンデマンド事業で取扱うコンテンツは、アスミック・エースの作品はもちろん、アスミック以外の作品もたくさんあるので、そこも強みだと思います。

長 現在扱っているコンテンツは約10万本。毎月新作が約5〜6000本入るので、携わっているコンテンツ量はすごく多いです。

澤﨑 配信だけでも7万本ぐらいありますしね。

長 アニメは、放送中の作品のほとんどの見逃し配信もやっています。扱う作品も多く、毎クール40〜50作品はありますね。グループ会社のLaLa TV、ムービープラスのコンテンツの調達も行っています。さらに、最近ではJ:COMのコミュニティチャンネルにアニメを帯放送する枠ができて、そこでも編成から調達も行っています。アスミックのオンデマンドチームで相当なコンテンツ数をさばいていることになりますね。これまで蓄積したノウハウとチームワークで激変するビジネスモデルへ対応しつつ、当社のビジネスをどんどん広げていきたいですね。

※画像はJ:COMオンデマンドのイメージ写真となります。

インタビュー・文:大曲智子