旬なキャストで贈る胸キュンこじらせラブストーリー。映画『ういらぶ。』ができるまで

2018.11.08

ティーンの女性をターゲットとした、少女漫画が原作の恋愛映画は、いまや王道のジャンル。「隙のないキャスティングで作るラブストーリー」という明確なコンセプトをもとに、映画『ういらぶ。』の企画を打って出たのが、アスミック・エースのプロデューサー田辺圭吾だ。『坂道のアポロン』に続き少女漫画原作モノを手がけることになったが、「世間から需要のあるものを作りたいだけ」と語る。そんな映画プロデューサーの人物像に迫った。

――『ういらぶ。』は、今話題の平野紫耀さん(King & Prince)が主演です。5月のCDデビュー後、人気も絶大で見事なタイミングですね。

田辺 これまでアスミック・エースでは、女性ターゲットのいわゆる胸キュンラブストーリーってあまりなかったんです。今はいろいろな配給会社が作るようになっていて、ヒットしたものもあればそうでないものもある。こういう映画って莫大な製作費が掛かるというわけではないので、アスミックでもやればいいのになと思っていたのが一番の発端です。特にこういったジャンルの映画作るなら、主演がだれかがとても重要。当時はまだMr.KINGというジャニーズJr.のグループに所属していた平野紫耀くんが、2年後ぐらいには人気が高まっているんじゃないかなっていう目算の元に、彼をキャスティングしました。実際に打診した時もまだ、King & Princeとしてデビューするという話もまだ知りませんでしたしね。

――ヒロイン春名優羽役には桜井日奈子さん。二人を取り巻く友人も、玉城ティナさん、磯村勇斗さん、桜田ひよりさん、伊藤健太郎さんと、それぞれが主役を張れるような俳優ばかりです。

田辺 キャスティングはこだわりました。こういう映画って、主役とヒロイン以外はそこまで知名度がない方をキャスティングされる場合もあるかと思うんですけど、今回はその他のキャストに関しても人気・実力があるキャストを意識しました。6人という少数キャストだからできることではありますけどね。

 

――監督は、『キサラギ』や『累-かさね-』の佐藤祐市監督ですが、佐藤監督にとってもこういうジャンルの映画は初めてなんですよね。

田辺 そうですね。少女漫画原作というとしっとりした映画が多い中で、『ういらぶ。』は原作が結構コミカルなこともあり、映画自体もコミカルでポップなものにしたかった。佐藤監督の映画『キサラギ』のようなテンポの良さで少女漫画原作モノをやってくれたら面白くなるんじゃないかなと思いました。そして平野紫耀くんを預けられる監督の実績という観点でも、佐藤監督がやってくれたらいいなと打診をしました。でも佐藤監督はこういうジャンルの映画はやらないかもしれない・・・と思っていたら、「やったことないけどなんか面白そうだからやるよ」と受けてくれました。

――佐藤監督は、アスミック・エース配給作品では『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を撮られていますね。

田辺 あれもコミカルなものでしたしね。そのほかにも『ストロベリーナイト』や、最新作の『累-かさね-』など、人間の本質というか、内面、ダークサイドをしっかり描く作風という印象がありました。

――ティーン向けの映画を作る上で大事にしたことは。

田辺 脚本作りは佐藤監督と、脚本家の高橋ナツコさんと、そしてプロデューサーの僕と、共同テレビジョンに所属されている女性プロデューサーの4人でやっていました。プロデューサーに女性を入れたのは、女性の観点があったほうがいいだろうという佐藤監督の意見ですね。実際に作って感じたのは、現場でも女性スタッフの意見を尊重すべきということ。監督と僕が悩んだときは、女性の意見で決めていました。記録スタッフの女性やその女性プロデューサー、若いアシスタントの子にまで聞いていましたね。映画って余程のことがない限り、女性客をしっかりと意識する必要がある。僕が関わった前作『坂道のアポロン』でもそうでしたが、悩んだら女性が選ぶ方にしていました。「自分はこうがいいと思っても女性は違うかもしれない」というのは常に思っているところです。

――若い方に人気の俳優などを、普段からチェックしているんでしょうか。

田辺 全部はチェックできないですが、人気のドラマや映画は見るようにしています。ネットやCMで見るようになってきたら、演技力はどうだろうとか、映画で起用してもお客さんに興味を持ってもらえるかなとか。立体的に情報を見るようにしていますね。僕はいつも映画を作る上でキャスティングを最重視していると言ってもいいかもしれません。

――映画を見る人たちの「需要」を強く意識されているんですね。

田辺 世の中で需要がないものを、お金をかけて作ってもしょうがないですからね。もちろんプロデューサーとして責任を感じる分、世の中に求められてるものを作ろうということなんです。僕の独りよがりにお金を出させることはしたくない。そういう意味で、最初からしっかりと需要がありそうな企画を選んでいるのかもしれないですね。その時のターゲットに喜んでもらえるものとして考えた映画なので、今後も通用するかはわからない。次に作る作品は全然違うものになると思いますよ。

 

▼映画『ういらぶ。』について
出演:平野紫耀(King & Prince) 桜井日奈子
玉城ティナ 磯村勇斗 桜田ひより /伊藤健太郎

原作:星森ゆきも「ういらぶ。―初々しい恋のおはなし―」(小学館「Sho-Comi フラワーコミックス」刊)
監督:佐藤祐市  脚本:高橋ナツコ  音楽:佐藤直紀
主題歌:King & Prince 「High On Love!」(Johnnys’ Universe)
製作:『ういらぶ。』製作委員会 制作プロダクション:アスミック・エース 共同テレビジョン 配給:アスミック・エース
(C)2018 『ういらぶ。』製作委員会  (C)星森ゆきも/小学館

「もう幼なじみのままじゃいられない!」
仲良しいつメンと最強ライバル兄妹。どうなる?!6人の恋と友情。
同じマンションに住む幼なじみ4人組。お互い“大好きすぎて「好き」って言えない”こじらせまくりの凛(平野紫耀)と優羽(桜井日奈子)、そんなふたりを心配して見守る暦(玉城ティナ)と蛍太(磯村勇斗)。
最強幼なじみチーム4人の前に、ある日、“好きなら好きとハッキリ言う”ライバル兄妹・和真(伊藤健太郎)と実花(桜田ひより)が現れる。
ずっとこのまま変わらないと思っていた2人の恋と4人の友情は、思わぬ方向へ動きはじめて!?

映画公式サイト:http://welove.asmik-ace.co.jp/

インタビュー・文:大曲智子 写真:秋元俊一