Project Story

2018.07.19
第2回
第2回
重神機パンドーラ

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Project Story#3

カギは”360度展開” TVアニメ『重神機パンドーラ』を支えるキーマンたち

全3回連載

手探りでの商品化展開

*インタビューアー:勝田周 *写真:秋元俊一

フジテレビの深夜アニメ放送枠「ノイタミナ」にて、2005年放送の『ハチミツとクローバー』から2011年放送の『フラクタル』まで製作に携わり、2016年放送の『ALLOUT!!』で再びTVアニメ製作に参入したアスミック・エース。2018年4月より放送されている『重神機パンドーラ(以下『パンドーラ』)』は、『マクロス』や『アクエリオン』シリーズで多くのアニメファンから絶大な支持を得る河森正治総監督による最新作だ。そんな期待の一作に、アスミック・エースはいかにして関わり、そして今、どのような取り組みをしているのか? ライツ事業本部の秋元俊一、池田幸弘、樺島鉄平、小野美香に、各々の立場から語ってもらった。(全3回)

『パンドーラ』はTVオリジナル作品という特長を生かして商品化展開にも力を入れる。これまでに番組販売や洋画の買い付けを経験し、2017年に株式会社WOWOWへの出向から戻った池田は、TVアニメの商品化に関して、当初は手探りでのアプローチだったと振り返る。
池田「当社全体としてはグッズの企画や商品化ライセンスを手がけた実績がありつつも、それを事業とした専門部署があるわけではありません。今回、自分個人としてはノウハウの無い中で、『パンドーラ』というプロジェクトに関わり、商品メーカーに『こういう作品がありますので、グッズを製作しませんか』という営業を担当することになりました。」

最初はわからないことも多かった、アニメのグッズ展開。だが、この作品でその業務に携われてよかったと語る。

池田「実際に動いてみて特に感じたことですが、原作がないオリジナル作品は、どうしてもタイトルの知名度が事前からすごくあるわけではないのでグッズを作るメーカー側としても判断が難しいと思います。ですが、河森総監督をはじめとするクリエイター陣や、主人公のレオン・ラウを演じる前野智昭さんを始めとした豪華キャストの出演も手伝って、放送前から多くの方に期待を寄せていただき、商品化にも手を上げてもらうことができました。他の作品では、こうはいかなかったでしょうね」

グッズの企画を進めていくと、そこにはこれまでにはなかったやりがいも。
池田「グッズの企画は私たちの独断で決めません。メーカーから出てきたアイディアを社外も含めた関係者に伝え、その反応を見て取りまとめていくのも重要な業務です。その過程で『そのアイディアはいいね』、『このグッズはかっこよくできたね』と言っていただけることもあり、それが仕事への大きなモチベーションになりました」

クリエイターと関わる商品開発の現場も、大きな刺激になった。
池田「商品開発の現場では、TVアニメ本編のクリエイターの力を借りることもあります。例えばドラマCDの企画に関しては、河森総監督や脚本家の方々の議論でいろいろなアイデアが飛び出し、TVアニメ本編の物語とはひと味異なるコメディ路線の物語が生まれました。クリエイターの遊び心で、まったく新しい物が生み出されるプロセスを間近で見られたのは、とてもいい経験でした」

2018年7月より放送2クール目に突入し、いよいよ折り返しをむかえた『パンドーラ』。それを支える4人が携わる、他の案件についても話を聞いた。

秋元「よりコントローラブルな作品を手にできるように、映像作品の原作を他社様と共同で開発する取り組みを行っています。韓国の電子コミック制作会社と一緒にWebコミックを公募展で募集したり、株式会社フーモアと組んで、映像化、ゲーム化、商品化などのメディア展開を前提としたコンテンツの原作開発を共同で行ったりなど、いろいろな可能性を追求しています」

樺島「僕らコンテンツ販売部は、映像作品をはじめ、あらゆるコンテンツを世の中に発信していくことが使命。勿論収益面にも常に気は配りつつ、それ以上に、いかにアスミック・エースというブランドを国内は勿論、全世界の皆様に届けていくか。引き続きそこに邁進していきます。2017年には映画『君と100回目の恋』が『与君相恋100次』というタイトルで中国でも劇場公開されました。中国やアジアを意識した事業は、僕らとしても重要課題です」

池田「『パンドーラ』の物語はこれからますます盛り上がっていきますので、グッズの製作、商品展開という方面からも引き続きその盛り上がりの一助を担っていきます。今はまだ詳細をお話できませんが、水面下で動いている企画もあります」

小野「無料のWebマンガ誌「ジーンピクシブ」で連載されている『ガイコツ書店員 本田さん』のTVアニメが2018年秋から放送開始となります。元書店員の方が、ご自身の経験を元に描かれているお仕事エッセイコミックのアニメ化です。『パンドーラ』とは毛色が大きく異なる作品ですが、どう宣伝していくのが効果的か、プロデューサーとディスカッションを重ねています」

(次回、「アニメ宣伝ならではの苦労とやりがい」について)

「重神機パンドーラ」について

<スタッフ>
原作:河森正治・サテライト/総監督:河森正治/監督:佐藤英一/シリーズ構成:根元歳三
キャラクター原案:江端里沙/キャラクターデザイン:安彦英二/重神機デザイン:河森正治
B.R.A.I デザイン:宮崎真一/デザインワークス:石川寛貢/色彩設計:林可奈子/美術監督:伊
藤聖(STUDIO ARA)/美術設定:青木智由紀、森岡賢一
撮影監督:久保田淳/編集:兼重涼子/CG ディレクター:後藤浩幸
CG スーパーバイザー:原田丈/重神機モデリング:小川朗広(unknownCASE)、渡邉健人、忽帥
モニターグラフィックス:影山慈郎(T2studio)/特殊効果:飯田彩佳/音響監督:濱野高年
音響効果:中島勝大/音響制作:マジックカプセル
音楽:得田真裕、眞鍋昭大/音楽制作:フライングドッグ、ワンミュージック
オープニング主題歌:BUMP OF CHICKEN「シリウス」(TOY’S FACTORY)
エンディング主題歌:BUMP OF CHICKEN「Spica」(TOY’S FACTORY)
挿入歌:西沢幸奏「Meteor」「New Generation」(フライングドッグ)
中島 愛「悲しみと共に」(フライングドッグ)
制作:サテライト

<キャスト>
レオン・ラウ:前野智昭/クイニー・ヨウ:花澤香菜/ダグ・ホーバット:津田健次郎/クロエ・ラウ:東山奈央
グレン・ディン:内田雄馬/ケイン・I・ハサン:石塚運昇/ジェイ・ユン:梅原裕一郎/セシル・スー:茅野愛衣
Mr.ゴールド:檜山修之/ジーク:中村悠一/ワン:近藤孝行/フォー:石川界人
フィオナ:能登麻美子/エミリア・ヴァリ:瀬戸麻沙美/ロン・ウー:石田彰

<放送・配信情報>
TOKYO MX にて毎週水曜23:30~ WOWOW にて毎週金曜21:30~
BS11 にて毎週金曜23:30~ MBS にて毎週土曜27:38~ 好評放送中
Netflix にて日本先行独占配信中/全世界展開決定

契約の時、希望は彼ら(パンドーラ)に託された――
公式サイト:http://www.project-pandora.jp/

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