ヒットの裏には宣伝チームの戦略あり! 映画『関ヶ原』が多くの観客に届いた理由【第4回】

2018.03.26

*インタビューアー:上田智子 *写真:秋元俊一

2017年8月に公開し、興行収入24億円の大ヒットを記録した映画『関ヶ原』。本作をヒットに導いた「宣伝」は、アスミック・エースの親会社であるJ:COM内で高く評価された。原作・司馬遼太郎、監督・原田眞人、主演・岡田准一の超大作時代劇アクションを、どのような戦略で宣伝したのか? 映画宣伝歴14年の鈴木崇史(宣伝プロデューサー)と、宣伝歴5年の佐藤みなみに語ってもらった。(全4回)

【洋画と邦画、宣伝の違い】

宣伝プロデューサーに鈴木崇史、宣伝チームの一員に佐藤みなみ。このタッグで宣伝した映画は、『フルスロットル』、『マエストロ!』、『エヴェレスト 神々の山嶺』、『関ヶ原』がある。邦画と洋画の宣伝は、どんな違いがあるのだろうか。『ノー・エスケープ 自由への国境』で洋画の宣伝プロデューサーを務めた佐藤は言う。

佐藤「宣伝コンセプトやターゲットを考えるという根底は一緒ですが、邦画は関わる方が多い分、いろんな方の意見を聞いて集約しなければいけません。製作から関わるので宣伝期間も長いし、やらなければならないこともたくさんあります。洋画の場合、すでに完成している映画を日本でどう売るか?がポイントなので、考える幅が大きいですし、コンセプトを決めたら一気に走っていくことができます。邦題を考えるのも宣伝室の仕事。みんなで意見を出して、宣伝プロデューサーが最終決定して、本国にアプルーバルを取ります。『ノー・エスケープ 自由への国境』の場合、原題はスペイン語で“DESIERTO(砂漠)”。まったく馴染みがない単語なので、日本語に変えようと決めて、何回も邦題会議をやりました」

【アスミック・エース作品と、今後について】

ふたりにとって、印象に残っているアスミック・エースの作品は?

鈴木「『ピンポン』と『真夜中の弥次さん喜多さん』は映画館で観ました。あと、『ニュー・シネマパラダイス』も好きですね。エースピクチャーズ時代の作品ですけど」

佐藤「犬童一心監督映画と、『ピンポン』、『重力ピエロ』などですね。『ヘルタースケルター』も衝撃でした。『この映画もアスミック・エースだったんだ、毛色が違うな』って。『ほんとにいろんな作品を作る会社だな』と思ったのを覚えています」

では、今後チャレンジしたいことは?

鈴木「ないんですよねえ(笑)。と言いつつ、なんだかんだ宣伝をずっとやっていて、この仕事が好きなので、続けていくと思いますが。今後はまた洋画をやりたいです。洋画の宣伝は知恵を働かせないといけないし、制約がそこまで多く無い分、言い訳ができないんですよね。その分、ヒットした時はすごく嬉しい。『大統領の執事の涙』の宣伝プロデューサーをやった時、歴代アメリカ大統領に仕えた黒人の執事の話という、日本に馴染みのない題材だったのにヒットしたんです。来日した監督に予告を褒められたのもいい思い出です」

佐藤「宣伝プロデューサーをやるのが目標だったんですけど、『ノー・エスケープ 自由への国境』で洋画の宣伝プロデューサーができたので、次は邦画をやりたいです。『やらせてほしい』って、ずっとアピールしているんですけど(笑)。やるからにはヒットさせたいし、記録にも記憶にも残る作品にしたい。それを宣伝プロデューサーという立場で引っ張っていけたら嬉しいだろうなって思っています」

最後に、2018年の担当作品と、今後のラインナップについて教えてもらおう。

鈴木「1月12日に公開した『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』と、5月11日に公開となる鈴木おさむさん初監督作品『ラブ×ドック』を宣伝プロデューサーとして担当します」

佐藤「現在公開中の『羊の木』、そのあとは『ラブ×ドック』、『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』を担当する予定です。三木聡監督のことも好きで、ずっとやりたいと言っていたので、『音量~』は脚本を決定稿の前から読ませてもらったり、キャスティングに意見を言ったりしました」

鈴木「2018年のアスミック・エース作品はバラエティにとんでいます。社会派(『羊の木』)、音楽青春もの(『坂道のアポロン』)、ラブコメ(『ラブ×ドック』、『ういらぶ。』)、コメディ(『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』)などなど……ティーン向けから、大人の方に楽しんでいただけるものまでジャンルも幅広いですし、宣伝としても、いろいろ面白い展開を仕掛けていくと思います。ぜひ楽しみにしてほしいですね」

 

▼『関ヶ原』について
出演:岡田准一 有村架純 平岳大 東出昌大 / 役所広司

北村有起哉 伊藤歩 中嶋しゅう 音尾琢真 松角洋平 和田正人
キムラ緑子 滝藤賢一 大場泰正  中越典子 壇蜜 西岡德馬
松山ケンイチ 麿赤兒 久保酎吉 春海四方 堀部圭亮 三浦誠己
たかお鷹 橋本じゅん 山村憲之介 宮本裕子 永岡佑 辻萬長

原作:司馬遼太郎「関ケ原」(新潮文庫刊) 監督・脚本:原田眞人
製作:「関ヶ原」製作委員会  配給:東宝 アスミック・エース

「愛」と「野望」、激突!
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誰もが知る「関ヶ原」の誰も知らない真実―――
公式サイト:http://wwwsp.sekigahara-movie.com/

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