ヒットの裏には宣伝チームの戦略あり! 映画『関ヶ原』が多くの観客に届いた理由【第2回】

2018.03.15

*インタビューアー:上田智子 *写真:秋元俊一

 

2017年8月に公開し、興行収入24億円の大ヒットを記録した映画『関ヶ原』。本作をヒットに導いた「宣伝」は、アスミック・エースの親会社であるJ:COM内でも高く評価された。原作・司馬遼太郎、監督・原田眞人、主演・岡田准一の超大作時代劇アクションを、どのような戦略で宣伝したのか? 映画宣伝歴14年の鈴木崇史(宣伝プロデューサー)と、宣伝歴5年の佐藤みなみに語ってもらった。(全4回)

【入社の経緯】

『関ヶ原』の宣伝プロデューサーを務めた鈴木崇史は、アスミック・エースに入社して12年。初めて宣伝プロデューサーを担当した『シーサイドモーテル』以降、何本も宣伝の先頭に立っている彼に、これまでの経緯を聞いてみよう。

鈴木「高校時代からずっと映画の仕事をしたいと思っていたので、大学の時に映画会社を何社も受けたんですが、引っかからなかったんです。他の企業に就職しても、自分の性格的にそのまま会社に居続けて後で後悔しそうだなと思ったので、人生で初めて抵抗してみようと思って。そこで大学卒業後、バンタンの映画配給宣伝コースに1年通いました。『これだ、自分がやりたいのは』と思いましたね。映画の専門学校なので、毎月映画会社からバイトの募集が来るんですよ。それで20世紀フォックスに常駐していた映画宣伝会社に入り、パブリシティ担当として雑誌社に行ったり、ラジオ局に売り込みに行ったりしました。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のような超大作も担当しましたし、フォックス・サーチライト・ピクチャーズも多い時期だったので、インディペンデント色の強い洋画もたくさんやりました。そんな感じで3年間宣伝をしていたんですが、ある事情で会社を離れることになって、この先どうしようかなと考えていて。ちょうどその時期にアスミック・エースが宣伝を募集していたので、当時の上司が話をつないでくださって、面接を受けることにしたんです。それまでは洋画しかやったことがなかったので、アスミック・エースで邦画も担当してみたいと思ったんですよね」

【製作宣伝から宣伝プロデューサーへ】

無事に入社することになったが、アスミック・エースは鈴木が希望していた「配給宣伝」ではなく、「製作宣伝」の人材を探していたため、製作宣伝の仕事をすることに。担当したのは、『しゃべれども しゃべれども』、『天然コケッコー』、『クワイエットルームにようこそ』、『明日への遺言』の4本。そこではどんな仕事をしていたのだろうか。

鈴木「製作宣伝は、基本的にずっと撮影現場にいます。宣伝部が媒体さんの現場取材を入れた時は、事前に事務所や現場のスタッフに根回しし、取材当日はアテンドします。ポスター撮影などの特写をする時も同様です。取材がない日はできる限り撮影のお手伝いをして、現場と宣伝の橋渡しができるよう、スタッフやキャストとコミュニケーションを取ります。『しゃべれども しゃべれども』が初めての邦画でしたが、制作の現場から入らせてもらえて面白かったですね。やっぱり、映画を作ってる時の一体感ってすごいんですよ。打ち上げで『頑張ってたね』って言われたのも嬉しくて。それからは、現場にいることのほうが楽しくて、行かなくていいと言われても、自分から行きたいです!と言ってました(笑)」

製作宣伝の仕事を経た後は、『グーグーだって猫である』にアソシエイト・プロデューサーで参加し、『ヘブンズ・ドア』にアシスタント・プロデューサーとして参加。「『ヘブンズ・ドア』は、オリジナル(『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』)が好きだと言っていたら、脚本作りやキャスティングから参加させてもらうことができました。APもやりながら、宣伝も最後までやらせてもらったので印象に残っている作品です」。

その後、プロデューサーの道に進みたかった鈴木だが、社内の環境が色々変わる時期だったため、宣伝部へ。前職以来、2年ぶりに配給宣伝を担当することになった。それからすでに10年。数々の経験が、その次の作品へ活かされていくという。

鈴木「『エヴェレスト 神々の山嶺』では、撮影中に1週間ネパールに行ってエヴェレストにも登りました。主演の岡田准一さんとの関係性や、大作映画の仕掛け方など、『エヴェレスト~』での経験が『関ヶ原』にも活用できたと思います。製作総指揮の角川歴彦さんとも直接お話をさせていただいたり、あらゆる立場の方とやり取りさせていただき、映画に対しての想いを感じられたことはすごく勉強になりました」

では、宣伝プロデューサーのやりがいとは?

「すべてのことにやりがいを感じていますが、しいて言うなら、宣伝期間中、全力で挑む分、映画がヒットした時の喜びは半端ないですよね。関わっている何百人もの人を先導して、旗振りして、全員で協力しながらヒットを仕掛ける。それが結果として出た時はすごく感動します。あとはやっぱり、映画が公開した後に、キャストや委員会の方々から『ありがとう』って言われるのが一番嬉しいですね」

 

▼『関ヶ原』について
出演:岡田准一 有村架純 平岳大 東出昌大 / 役所広司

北村有起哉 伊藤歩 中嶋しゅう 音尾琢真 松角洋平 和田正人
キムラ緑子 滝藤賢一 大場泰正  中越典子 壇蜜 西岡德馬
松山ケンイチ 麿赤兒 久保酎吉 春海四方 堀部圭亮 三浦誠己
たかお鷹 橋本じゅん 山村憲之介 宮本裕子 永岡佑 辻萬長

原作:司馬遼太郎「関ケ原」(新潮文庫刊) 監督・脚本:原田眞人
製作:「関ヶ原」製作委員会  配給:東宝 アスミック・エース

「愛」と「野望」、激突!
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誰もが知る「関ヶ原」の誰も知らない真実―――
公式サイト:http://wwwsp.sekigahara-movie.com/

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