映画『羊の木』初日舞台挨拶

2018.02.04

公開初日の2月3日に東京のTOHOシネマズ六本木ヒルズで、主演の錦戸亮さん、共演の木村文乃さん、北村一輝さん、優香さん、市川実日子さん、水澤紳吾さん、田中泯さん、松田龍平さん、吉田大八監督が勢ぞろいした舞台挨拶を行いました。

元受刑者の受け入れ担当となった市役所職員・月末一役の錦戸さんは「一度観ただけでは消化できないかもしれないけれど、時間が経てば経つほど染みてくる作品。だからこそ長く楽しめる作品でもある。これから『羊の木』が広がっていけばいい」とご挨拶。
月末の同級生・石田文役の木村さんも「撮影が終わって1年強。公開が本当に嬉しい」とシミジミ。
元受刑者で釣り船屋の杉山勝志役の北村さんは、昨年末に亡くなった故・深水三章さんに触れて「自分がまだ駆け出しの役者の頃からお世話になった先輩で、深水さんの遺作となった本作に同じシーンで共演できたことが嬉しい。深水さんも初日を喜んでいるはず」と思いを馳せました。
元受刑者で隙のある介護士・太田理江子役の優香さんは「観終わった後に誰かと語り合いたくなる作品。一度ではなく何度も観てほしい」。
元受刑者で清掃員の栗本清美役の市川さんは「その日の体調によって感じ方も変わる作品」。
元受刑者の理髪師・福元宏喜役の水澤さんは「ふとした時に思い出してもらえるような作品。何度も観てもらえれば、新しい発見があるはず」。
クリーニング店を営む元受刑者である大野克美役の田中さんは「素晴らしい映画だと本当に思う。2度3度と劇場に足を運んでほしい」。
元受刑者で宅配業者・宮腰一郎役の松田は、重厚なテーマを扱った作品ゆえに「楽しんでいただけたら嬉しいな…」と観客の反応を気にしつつ「衝撃的な映画で、撮影も刺激的だった。吉田監督とご一緒するのは初めてで楽しい撮影だった」と語りました。
吉田監督は「飲み込みにくく、感想も伝えにくい映画かもしれない。自分自身、この映画の話をする時に探り探りで緊張します。撮影中も言葉にしにくさがあったが、俳優の皆さんが僕たちを信じてくれた結果、映画が完成した」と感謝し「映画館に観に行くのは、俳優を見に行くことだと僕は思っているので、そういう意味では自分の作りたい映画が作れた。こうして8人の俳優の方と舞台挨拶ができて、晴れがましい気持ちでいる」と封切りを喜びました!

また、国家の極秘プロジェクトで殺人を犯した元受刑者である男女6人が、新たな街で新たな生活を始めるという映画の設定にちなんで「もし誰も知らない町で新生活を始めるとしたらどんな職業に就きたいか」というお題が!
これに錦戸さんは「僕が興味あるのは左官屋さん」と挙げて「壁を塗ったりする職人技をYouTubeで見るのが好きでずっと動画を見ている。細かい作業が好きだし、この映画のプロモーションで溶接をして楽しかった。職人技を磨いて、TOKIO兄さんを超えられるくらいの職人技を」と器用な先輩超えを誓いました。
松田さんは「劇中で運送業をやっているけれど、しっくりきて制服もいいなと」と役柄の仕事に共感を寄せるも「ただ方向音痴で目的地にたどり着けるかわからず…。たどり着けるまで時間がかかるので心配。やり続けないとそう簡単にできないぞと」と自らを戒めると、錦戸さんに向かって「壁を塗る人にも“壁”が出てくるでしょうね」と言い、錦戸さんから「なんで急にそんな小話!?」と突っ込まれていた。
木村さんは、過去にウエディング関係のアルバイトをしていたことに触れて「それが凄く楽しくて、今の事務所に拾われなかったら続けていたはず。人の幸せを作って送り出す仕事は素敵。そういう役をもらったら、普段とはまた違った気持ちでできるかなと思ったりする」と回想。
北村さんは「家具を作ったりするのが好きなので、人に会わずにずっとこもって何かを作るのが好き」と職人希望。
優香さんは田中さんから自家製うどんをもらったことを明かし「それがとても美味しかったので、私も一からうどんを作りたい。1日限定5食とかそういった職人に憧れる」とうどん職人に憧れました。
市川さんは「その土地の土を使って急須を作る人になりたい」とやはり職人希望。
田中さんは「知らない土地でやり直せるものならば、その感謝の思いを持ってそこで数年経ってしまうと思う」と悟りの境地で、サッカー好きの吉田監督は「自分がサッカー選手になるのは無理なので、子供たちにサッカーを教えたい」と話した。
一方、水澤さんは「動物に愛される男になりたいので、牧場に行って牛とか馬とかを攻めて、徐々に犬猫に愛されるカッコいい男になりたい。普段は全然動物がなつかないので」と動物博愛男子になりたい様子。そんな動物が寄り付かない寂しき男に錦戸さんは「でも僕らは愛しているので!」と手を差し伸べて水澤さんを「ほ、本当ですか!?」と喜ばせるも、すぐさま「嘘です!(笑)」と冗談で突き放し、笑いを起こしていた。

最後に吉田監督は「生きていく上で疑うことは必要だが、わからなくても信じる気持ちが疑いよりも多い方が生きていて楽しいことがあるのではないかと撮影中に考えた。もし作品が素晴らしいと思っていただけたら、映画館にもう一度足を運んでもらい、この俳優たちに会いに来てほしい」とメッセージ。
そして錦戸さんも「朝一でこの映画を見るというのは、朝からすき焼きを食べるような感覚に似てる。消化しにくいかもしれないけれど、ふとした瞬間に思い出して反芻して、消化して」と独特な例えで『羊の木』の鑑賞後感を表し「そして消化しきったら、もう一度食べてみてほしい。そうすると色々な気づきが改めてあると思うし、観た人の数だけ感想がある。多くの人に観てもらって、多くの方と感想を共有してほしい」と語り掛けました。